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患者情報サマライザーエージェント

最終更新日: 2026-01-19 対象読者: 医師・医療スタッフ


はじめに

このページでは、AIシュライバーがどのように患者さんの情報を整理し、カルテ作成や質問への回答の精度を高めているかを、わかりやすく解説します。専門的な技術用語はなるべく避け、実際の診療の流れに例えて説明しています。


患者情報サマライザーエージェントとは?

患者情報サマライザーエージェントは、カルテを作成する前や、AIに質問をする前に、患者さんの過去の診療情報を自動で集めて整理する仕組みです。

医師が診療前にやっていることと同じことを、AIが自動で行います。

  • 過去のカルテをざっと見て、患者さんの状況を把握する

  • 患者サマリー(基本情報や重要な経過)を確認する

  • その情報を頭に入れてから、新しいカルテを作成する

  • 質問に答える時も、過去の情報を踏まえて回答する

この「事前準備」を自動で行うことで、AIが作成するカルテや回答の精度が大幅に向上します。


なぜ精度が上がるのか?医師の診療フローとの比較

医師が診療で行っていること

  1. 診療前の準備
  2. 患者さんの基本情報(年齢、性別、既往歴など)を確認
  3. 過去のカルテをざっと見て、前回の診療内容を把握
  4. 処方中の薬や検査結果を確認
  5. 病名リストを確認して、現在の診断状況を把握

  6. カルテ作成時

  7. 上記の情報を頭に入れた状態で、今回の診療内容を記載
  8. 過去の経過と照らし合わせながら、適切な記載を行う
  9. 矛盾や抜けがないか、自然に確認できる

  10. 質問に答える時

  11. 患者さんの過去の情報を思い出しながら回答
  12. 関連する診療記録を参照して、正確な情報を提供

AIが同じことを自動で行う仕組み

患者情報サマライザーエージェントは、上記の「診療前の準備」を自動で行います。

  1. 情報の自動収集
  2. 患者さんの基本情報(サマリー情報)を取得
  3. 過去のカルテ(直近3回分)を自動で読み込んで把握
  4. 処方薬の情報を整理
  5. 検査データや病名情報を取得・整理(モバカル接続時)

  6. 情報の整理と要約

  7. 集めた情報を、AIが理解しやすい形に整理
  8. 重要なポイントを抽出して、簡潔にまとめる

  9. カルテ生成や質問回答への活用

  10. 整理された情報をAIに渡すことで、過去の情報を踏まえた正確なカルテや回答が可能になる

つまり、医師がやっている「事前準備」をAIが自動で行うことで、医師と同じように「過去の情報を踏まえた正確な書類作成」ができるようになります。


モバカル接続時とローカル時の違い

患者情報サマライザーエージェントが取得できる情報は、モバカルに接続しているかどうかで異なります。

モバカル接続時(接続あり)

以下の情報を自動で取得・整理します:

  • サマリー情報
  • 患者さんの基本情報(年齢、性別、住所など)
  • 重要な既往歴やアレルギー情報

  • 血液検査データ

  • 直近の検査結果
  • 検査値の推移(グラフ化されたデータ)

  • 過去カルテ

  • 直近3回分の診療記録
  • 診療種別(初診・再診など)
  • 診療内容の把握
  • カルテへの参照リンク(元のカルテを確認できる)

  • 病名情報

  • 現在の診断名リスト
  • 過去の診断名との照合
  • 病名の重複チェック

  • メモ・相談員記録

  • 患者メモ(一般メモ)
  • 相談員メモ
  • 栄養士メモ
  • 事務メモ
  • その他のメモ
  • ※直近2ヶ月分のメモから最大5件を参照し、要約してAIに渡します

💡 ヒント: より多くの情報を活用できるため、カルテの精度が最も高くなります。検査データや病名情報、メモ記録があることで、より正確な判断が可能になります。特にメモ・相談員記録を参照することで、他職種からの情報共有も踏まえた診療が可能になります。

ローカル時(モバカル未接続)

以下の情報を取得・整理します:

  • サマリー情報
  • 患者さんの基本情報(AIシュライバー内に保存されている情報)

  • 過去カルテ

  • AIシュライバー内に保存されている直近3回分の診療記録
  • 診療内容の要約

💡 ヒント: AIシュライバー内の情報を活用できるため、過去の診療記録を踏まえたカルテ作成が可能です。ただし、モバカル接続時と比べると、検査データや病名情報がない分、情報量は少なくなります。


実際の動作の流れ

カルテ生成時の流れ

  1. 音声を送信してカルテ生成
  2. システムが自動で患者情報サマライザーエージェントを起動

  3. 情報の収集(自動)

  4. モバカル接続時:サマリー、血液検査、過去カルテ、病名情報、メモ・相談員記録を取得
  5. ローカル時:サマリー、過去カルテを取得

  6. 情報の整理(自動)

  7. 取得した情報を、AIが理解しやすい形に整理・要約

  8. カルテ生成

  9. 整理された情報をAIに渡して、過去の情報を踏まえたカルテを生成
  10. 過去の診療内容と矛盾がないか、自然に確認しながら記載

  11. 完成

  12. 医師が確認・編集して保存
  13. 保存時、変更点が重要であればカルテ学習を起動

AIチャットでの質問時の流れ

  1. 質問を入力
  2. 「この患者さんの前回の診療内容は?」など

  3. 情報の収集(自動)

  4. 患者情報サマライザーエージェントが自動で情報を取得・整理

  5. 質問への回答

  6. 整理された情報を基に、過去のカルテや検査データを参照しながら回答
  7. 必要に応じて、元のカルテへのリンクも表示

精度が高まる理由(詳細解説)

理由1:過去の情報を把握してから記載する

医師の診療フロー: 医師は、新しいカルテを書く前に、必ず過去のカルテを確認します。「前回はこうだったから、今回はこう記載する」という流れで、一貫性のある記載ができます。

AIの動作: 患者情報サマライザーエージェントが、過去のカルテ(直近3回分)を自動で読み込んで要約します。AIはこの要約を「頭に入れた状態」でカルテを作成するため、過去の記載と矛盾しない、自然なカルテが作成されます。

例:

  • 前回「血圧が高め」と記載されていた → 今回も血圧の記載が自然に含まれる

  • 前回「経過観察」と記載されていた → 今回の記載も前回の流れに沿う

理由2:患者サマリーを把握してから記載する

医師の診療フロー: 医師は、診療前に患者さんの基本情報(年齢、性別、既往歴、アレルギーなど)を確認します。この情報を頭に入れた状態で診療を行うため、年齢に応じた適切な記載や、アレルギーを考慮した記載ができます。

AIの動作: 患者情報サマライザーエージェントが、患者さんのサマリー情報を自動で取得します。AIはこの情報を「頭に入れた状態」でカルテを作成するため、患者さんの状況に適した記載ができます。

例:

  • 高齢者の患者さん → 年齢を考慮した表現が自然に含まれる

  • アレルギーがある患者さん → アレルギーに関する記載が適切に含まれる

理由3:検査データや病名情報を活用する(モバカル接続時)

医師の診療フロー: 医師は、診療時に検査結果や病名リストを確認しながらカルテを作成します。検査値の推移を見て「改善傾向」や「悪化傾向」を判断し、病名リストを確認して「現在の診断状況」を把握します。

AIの動作: モバカル接続時は、血液検査データや病名情報も自動で取得します。AIはこれらの情報を参照しながらカルテを作成するため、検査結果に基づいた記載や、病名との整合性を保った記載ができます。

例:

  • 検査値が改善している → 「HbA1c 7.8」などの記載が自然に含まれる

  • 病名リストに「高血圧」がある → 血圧に関する記載が適切に含まれる

理由4:質問に答える時も過去の情報を参照する

医師の診療フロー: 医師は、患者さんやスタッフからの質問に答える時、過去のカルテを確認しながら回答します。「前回はこうだった」「検査結果はこうだった」という情報を参照して、正確な回答ができます。

AIの動作: AIチャットで質問された時も、患者情報サマライザーエージェントが自動で情報を取得・整理します。AIはこの情報を参照しながら回答するため、過去の診療記録に基づいた正確な回答ができます。

例:

  • 「この患者さんの前回の診療内容は?」 → 過去のカルテを参照して回答

  • 「処方中の薬は?」 → 処方薬の情報を参照して回答


よくある質問(FAQ)

Q: 患者情報サマライザーエージェントは、いつ動きますか?

A: カルテ生成時と、AIチャットで患者さんに関する質問をした時に自動で動作します。特別な操作は不要です。

Q: 情報の取得に時間がかかりますか?

A: 通常は数秒以内に完了します。取得した情報は24時間キャッシュされるため、同じ患者さんについて再度取得する場合は、より高速に動作します。ただし、リアルタイムの状況(24時間以内の変化)を把握していない返答になります。

Q: モバカルに接続していない場合でも、精度は上がりますか?

A: はい、上がります。AIシュライバー内の過去のカルテを参照できるため、過去の情報を踏まえたカルテ作成が可能です。ただし、モバカル接続時と比べると、検査データや病名情報がない分、情報量は少なくなります。

Q: 過去何回分のカルテを参照しますか?

A: 直近3回分のカルテを参照します。これは、医師が診療前に確認するカルテの件数と同程度です。

Q: 取得した情報は、どこで確認できますか?

A: カルテ生成画面やAIチャット画面で、取得した情報が自動でAIに渡されます。医師が直接確認する必要はありませんが、AIが参照した情報の出典(元のカルテへのリンクなど)が表示される場合があります。

Q: 情報が古い場合はどうなりますか?

A: 情報は24時間ごとに自動で更新されます。カルテを保存した後など、情報が更新された場合は、次回のカルテ生成時に最新の情報が使用されます。


まとめ

患者情報サマライザーエージェントは、医師が診療前にやっている「過去のカルテを確認して、患者さんの状況を把握する」という作業を、AIが自動で行う仕組みです。

  • 過去のカルテをざっと見て把握 → 直近3回分のカルテを自動で要約

  • 患者サマリーを把握してからカルテを作る → サマリー情報を自動で取得してからカルテ生成

  • 質問に答える時も過去の情報を参照 → 過去の情報を自動で参照してから回答

この「事前準備」を自動で行うことで、AIが作成するカルテや回答の精度が大幅に向上します。

モバカル接続時は、より多くの情報(検査データ、病名情報など)を活用できるため、最も高い精度が期待できます。


用語集

用語 説明
サマリー情報 患者さんの基本情報(年齢、性別、既往歴など)をまとめたもの
過去カルテ 過去の診療記録。直近3回分が参照されます
血液検査データ 血液検査の結果と、その推移を表すデータ
病名情報 現在の診断名のリスト
キャッシュ 一度取得した情報を一時的に保存しておく仕組み。同じ情報を何度も取得する手間を省きます