夜の自動学習(先生の直しから逆算して覚える)¶
最終更新日: 2026-09-12 対象読者: 医師・医療スタッフ / 管理者
💡 一言でいうと: 先生がモバカル上でカルテを直すと、その直しが毎晩ひとりでに集められ、深夜のうちに「その先生の書き方のルール」へ変換されます。先生がすることは、いつも通りモバカルで直すことだけです。ボタンも操作も、学習用の画面もありません。

人の睡眠に近い考え方です
日中は診察に集中し、その日の出来事は夜のあいだにまとめて整理して定着させる。人が眠っているあいだに記憶を固めるのと同じ順番で、Dr.MiRAI も日中は集めず、夜にまとめて学びます。日中の生成が遅くならないのはこのためです。
1日の流れ¶

| 時刻 | 何が起きるか | 人の操作 |
|---|---|---|
| 日中 | Dr.MiRAI が作ったカルテがモバカルへ自動転記される。先生がそれを直す | いつも通り直すだけ |
| 21:00 | Dr.MiRAI が書いた内容と、いまのモバカルの内容を照合し、違っていた分を「学習例」として登録する | なし(全自動) |
| 02:30 | その晩に集まった学習例を AI が読み、先生ごとの「学習ルール」を書き換える | なし(全自動) |
| 翌日 | 更新されたルールが、次のカルテ生成から効く | なし |
⚠️ 注意: 実際の学習は 深夜 2:30 に動きます(21:00 の収集が終わってから走らせるためです)。翌朝には反映が終わっている、とお考えください。
21:00 — 「直されたか」を確かめる¶
Dr.MiRAI は、モバカルへ自動転記したカルテを 1 件ずつ記録しています。夜 21 時、その記録をもとにモバカルの今の中身をもう一度読みに行き、自分が書いた文章と突き合わせます。
- 同じだった → 先生は直していない。つまりそのままで良かった、ということです。何も登録しません
- 違っていた → 先生が直した。直した後の内容が正解として「学習例」に登録されます
これが「逆算」と呼んでいる部分です。先生に「ここを直してください」と入力してもらうのではなく、すでに完成しているモバカルのカルテから、Dr.MiRAI の下書きとの差を逆算して教材を作っています。
比較するのは SOAP 欄だけです¶
モバカルの所見欄は、ブロック検出の仕組みで S / O / A / P の欄と、それ以外の記載欄(プロブレムリスト、緊急時対応、デイリーサマリーなど)に分割されます。照合の対象になるのは SOAP 欄だけです。
| 直した場所 | 夜の自動学習の対象 |
|---|---|
| S / O / A / P の本文 | ✅ 対象。書き方のルールとして学習されます |
| プロブレムリスト・緊急時対応などのブロック欄 | ❌ 対象外。これらはブロックごとの生成方式(前回コピー/AI生成/固定文)で扱われます |
学習例にならないケース¶
安全側に倒してあるため、次の場合は「今回は見送り」になります。翌日以降のカルテには影響しません。
- 書き込みから 3 時間たっていない — 診察中の書きかけを「先生の直し」と誤解しないため、3 時間以上あいた分だけを見ます
- 同じカルテに Dr.MiRAI がもう一度書き込んでいる — AI が AI の文章を学んでしまうため、対象から外します
- モバカル側の所見が読み取れない・患者の紐づけがつかない — 翌晩にもう 1 回だけ試し、それでも駄目なら見送ります
- 自動転記(インテリジェントカルテ同期)を通っていないカルテ — 手でコピーしたものは記録が残らないため対象外です
💡 ヒント: 「同じかどうか」は、改行の種類と行末の余分な空白だけを無視して比べています。それ以外は一文字でも変われば「直された」と判定します。細かい表記の統一(全角/半角、句読点など)もきちんと拾います。
02:30 — 集めた直しを「ルール」に変える¶
深夜 2 時半、その晩に集まった学習例を AI が読みます。読むのは 「AI が出した下書き」と「先生が直した後」の 2 つを並べたもので、AI はそこから「なぜ直されたのか」を言葉のルールに翻訳します。
- ルールは 先生ごと × カルテ種類(プロンプトレーン)ごとに保存されます。A 先生の癖が B 先生のカルテに混ざることはありません
- 対象は前回の学習以降に増えた分だけです。同じ直しを毎晩学び直すことはありません
- ルールには 2 種類あります
| 種類 | 内容 | 確定のしかた |
|---|---|---|
| 文体のルール | 語尾、箇条書きか文章か、見出しの付け方、略語の使い方など | 1 回の直しでも採用されます |
| 内容のルール | 「処方の変更理由は必ず A に書く」のように、何を書くかに関わるもの | 同じ傾向が 2 回以上確認されるまでは「暫定」扱いです |
内容のルールを慎重にしているのは、たまたま 1 回だけそう書いた例を「先生のルール」と決めつけないためです。繰り返し同じ直し方をされたものだけが、確かなルールとして残ります。
悪い方向に動かない仕組み¶
- ピン留め(保護)したルールは上書きされません。カルテ学習設定の画面で残したいルールをピン留めしておけば、毎晩の自動学習はそれを避けて更新します。要らないルールはその場で削除もできます
- AI の応答が不正だった晩は、既存のルールをそのまま据え置きます。学習に失敗しても、前日より悪くなることはありません
- 学ぶべき違いが無ければ、ルールは変わりません。先生が直さなくなった=学習が行き渡った、という状態です
先生にお願いすること¶
いつも通りモバカルで直していただくだけです。
- Dr.MiRAI が書いたカルテをモバカルで開き、気になるところを直して確定する
- それだけで、その晩に学習例になり、翌朝には書き方に反映されます
⚠️ 注意: 「学習させるために丁寧に直す」必要はありません。ふだん通りに直した結果が、そのままお手本になります。逆に、急いでいるからと明らかな誤りを残したまま確定すると、それも「先生の書き方」として学習されてしまいます。
💡 ヒント: 直した量が多いほど早く学びます。導入から数週間は直しが多く、そのぶんルールが速く育ちます。しばらくすると直す箇所が減り、学習例も自然に減っていきます。これが順調な経過です。
個人情報の扱い¶
- 学習例と学習ルールは、貴院専用のデータベースに保存されます。AI モデルそのものには取り込まれません
- 保存されるのは「書き方のルール」の文章であり、患者さんの病名や個人情報がルールとして残る設計ではありません
- 他院の学習結果が貴院に混ざること、貴院の学習結果が他院に出ることはありません
詳しくは 施設ごとのAI学習 初期セットアップとは をご覧ください。
よくある質問¶
Q. この機能は今うちで動いていますか。 A. 施設ごとのスイッチで有効化されており、運用中の施設では毎晩自動で動いています。有効化・停止は Dr.MiRAI 運営側で切り替えます。前提として、モバカルへの自動転記(インテリジェントカルテ同期)が有効になっている必要があります。
Q. 夜間に電子カルテへ書き込みが走るのですか。 A. いいえ。21 時に行うのは読み取りだけです。モバカルのカルテが夜間に書き換わることはありません。
Q. 先生が直さなかった日は、学習が止まりますか。 A. 止まるのではなく「学ぶことが無かった」だけです。ルールはそのまま維持され、翌日以降も同じ精度で生成されます。
Q. 間違えて変な直し方をしてしまいました。取り消せますか。 A. 1 回の直しでルールが固まることは少ない設計です(特に内容のルールは 2 回以上必要)。気になる場合は、カルテ学習設定の画面で学習ルールを確認し、不要なルールを消してください。操作は 設定画面の使い方 をご覧ください。
Q. 直したのに翌日も同じ書き方で出てきます。 A. まず、直した場所が SOAP 欄かご確認ください。ブロック欄(プロブレムリスト・緊急時対応など)の修正は、この夜間学習ではなくブロックごとの生成方式で決まります。SOAP 欄を直している場合は、記載学習が有効になっているかを設定画面でご確認ください。
Q. 録音アプリ側で直した場合はどうなりますか。 A. そちらは従来どおり 記載学習 の対象です。夜間学習は「モバカル上で直された分」を同じ学習の流れに合流させる仕組みで、行き先は同じ学習ルールです。
関連ページ¶
- 記載学習 — 学習ルールそのものの説明
- RPA接続後にやること(AI学習セットアップ) — ブロック検出の仕組み
- ブロック生成の実例(準備カルテができるまで)
- 施設ごとのAI学習 初期セットアップとは — 個人情報の取り扱い
- 設定画面の使い方
- 電子カルテ連携